体験談:ブルネイ留学レポート
ブルネイ留学レポート
2 年 岩中彩友歩
目的
自然が生み出す生物多様性を学ぶとともに、現地の人との交流を通し、日本と異なる言語、文化、宗教等を学ぶことを目的とした。
旅程
2/20:Tropical Biodiversity Centerで、Zaediさんや Jefriさんのプレゼンテーションを聞き、mangrove forestで採取したサンプルをもとに共生微生物の培養実験を行った。その後、ホテル周辺のモスクを見学した。
2/21:Tropical Biodiversity Centerの学生と共に、Teraja waterfallを目指して熱帯雨林内を探索し、TBCで質疑応答を行った。昨日に続き、異なるモスクを見学した。
2/22:UBD学生の案内でキャンパス内や熱帯植物園を見学し、阪大学生の英語研修のまとめプレゼンテーション発表に参加した。
2/23:ブルネイ建国39周年記念事業への参加、チャーター船でWater village訪問、ナイトマーケット見学等文化探索をした。
研修について(2/20、21、22 日)
Tropical Biodiversity Centerによる活動では、マングローブ林や熱帯雨林の探索をした。日本で山登りをするにしても、ここまで多種多様な植物を目にすることはなかったため、新鮮な感覚を覚えた。現地の方の説明を聞き、身の回りにある医薬品や化粧品が自然から抽出されていることを肌で感じることができた。特に、Tropical Biodiversity Centerの学生さんに助けてもらいながら、舗装されていない道を歩いた先で目にした滝が最も印象に残っている。平易な道のりではなく、険しい道のりだったからこそ、滝を目にした時の達成感は大きく、自然の偉大さを感じることができたのではないかと思う。また、ブルネイの方々のジャングルをかける足取りや湖に浸かる姿などを見て、人と自然が共生するとはどういうことか分かった気がする。常に自然に対して受け身の姿勢をとるのではなく、攻めの姿勢が必要であり、豊かな自然に囲まれた環境で暮らす国民には自然と備わっているものなのではないかと思った。自然から多くの恩恵をもらう私たち人間は、自然について深く理解できるように、もっと自然と密着した生活、環境を築き上げる必要があるのではないかと感じた。
文化交流について(2/19~2/24 通して)
イスラム教は世界三大宗教の一つである。今回の留学では、広大で威厳なモスク、ブルネイ建国39周年記念事業への全国民参加、ヒジャーブを纏った女性達、ブルネイ伝統料理などのイスラム文化に直接触れることができた。イスラムというと過激派組織の印象が強く、怖いイメージが大きかったが、必ずしも宗教に傾倒した人ばかりではなく、お互いを想いあう豊かな国民性からなる人がたくさんいると感じた。そして、最も興味深いイスラム教を象徴するモスクについて少し調べてみた。モスクは全世界に約400万個建設されている。デザイン、外見は様々であるが、必ず礼拝するためのメッカの方向が示されている。信仰者でない者からすると、美しい建物という認識でしかないが、ムスリムにとって礼拝をするために必要な場所であることがわかった。そのため、ムスリムの人が世界どこの地域でも、安心して礼拝できるよう、日本のようなイスラム国でない国にもモスクは建設されているそうだ。たとえ宗教心がないとしても、他者を尊重した環境を作ることも大切だということを感じることができた。
まとめ
現地に行って自分の目で確かめる。今回の研修では、この重要性を実感させられた。テレビや教科書、本から得る情報だけではわからないことをたくさん吸収することができたと思う。しかし、今回見たものが自然多様性、イスラム国のすべてを物語っていると思い込んではいけない。これらの一部分を今回の留学を通して得ただけであり、一つの情報から枠組みに当てはめて語ることはよくないと思う。だから、これから先の研究、個人的な興味においても、多方面から情報を得ることに注意しようと思う。さらに、世界と共同して何かを推し進めるためには、コミュニケーションのツールとして英語をしっかりと身に付けることも必要だと改めて感じた。現地の人が話している内容を理解することができなかった、自分の伝えたいことをそのまま伝えることができなかったという状況も多々あり、悔しい思いをした。目指すものが異なっていても、それぞれの国で長けている分野の知識や知恵を持ち合わせることで新たな発見ができるのではないかと思う。だからこそ、英語というツールを用いてコミュニケーションが円滑に行えるよう、英語のスキルをもっと伸ばしていきたいと思う。